ケーキ状の高粘度物質移送の課題challenges in solid matter containing liquid transfer
産業廃水処理、食品加工、化学などの現場では、脱水後の低含水率のものや、液自体が超高粘度なケーキ状物質の移送ニーズが存在しています。
これらは流体とは言い難く、粘土状・半固体に近い性状を持つため、従来のポンプでは対応が難しく、人手での移送やコンベアの利用を行うケースがよく見られます。
しかし、人手での移送は体への負担が大きく、コンベアを使った移送は周辺環境への影響やコンベアの清掃の手間が大きいといった課題が発生します。
本記事では代表的な移送物とその特徴、ポンプを導入することで上記の課題を解消したケースについてご紹介します。
ケーキ状物質とは?移送が難しい理由What is cake-like substance? Its difficulty in transfer
●特徴と課題
ケーキ状物質を移送するにあたり、以下のような課題が生じるケースが見られます。
| 特徴 | 課題 |
|---|---|
| 含水率が低い(85%程度以下) | 手ですくい上げてもほぼ自重で形状が変化しないほど低い流動性 |
| 大きな固形物や繊維質が混在するケースがある | 固形物が詰まる、繊維が絡まることによるポンプの急停止リスク |
| 微粒子が混在するケースがある | 微粒子によりポンプが摩耗しやすくなる |
●主な対象物
- 食品残渣、植物の搾りかす(おから、抽出後の茶葉など)
- 下水処理後の脱水汚泥
- 化学工場で発生するフィルターケーキ
ケーキ状物質の移送に適したポンプRecommendation
以下の2つのタイプがケーキ状の高粘度物質移送に適しています。
1.スクリューコンベア付二軸スクリューポンプ
■ 特徴:
低含水率の液や超高粘度液など固形に近いものの移送に特化
■ 得られる効果:
○ 投入側にスクリューコンベアを装着することで、供給された物質をスムーズにポンプ室へと送り込むことが可能
○ 用途に合わせて投入口のサイズを変更することが可能
○ 固形物や繊維質を含む物質の移送にも対応
2.脱泡機能付き二軸スクリューポンプ
■ 特徴:
完全ドライの状態から高粘度の液体を吸入できる強い吸引力を発揮
■ 得られる効果:
○ ポンプの中が空の状態からでも運転開始が可能
○ 繊維質や研磨性のあるスラリーを含む液体の移送にも対応
○ 高い自吸力を発揮するため、条件次第では物質のポンプ内部への供給の手間を削減可能
導入事例Case study
茶葉の出がらし
後処理の関係で、なるべく含水率を下げて茶葉の出がらしをポンプで移送したいという要望がありましたが、含水率を従来よりも下げて既存のポンプで扱おうとすると移送中に茶葉が絞られてしまい詰まってしまうという課題がありました。
これに対し、スネークポンプの導入も検討していましたが、接触式のポンプであるため、ポンプ由来の異物が入ってしまう懸念があり後工程の関係から導入を見送っていました。
ここにスクリューコンベア付二軸スクリューポンプSQW型を導入。ポンプ内部で茶葉を押し固めるようなことがない移送原理により、当初の狙いよりも低含水率の状態でも問題なく移送できるようになりました。
また、ポンプ由来の異物が発生しないという特徴から、後工程で問題が発生するリスクを抑えることもできました。
パン生地
ミキサーで混合されたパン生地をトレーに定量小分けする工程で、手作業では時間と負担がかかりすぎるため自動化したいという要望がありましたが、パン生地の粘度が高すぎるため、一般的なポンプでは生地を吸入することができないという課題がありました。
この課題について、接触式の吸引力が強いポンプを使えば目的を達成できる可能性もありえましたが、ポンプ由来の異物が混入するリスクがあるため積極的には使いたくありませんでした。
ここに脱泡機能付き二軸スクリューポンプVQ型を導入しました。自吸力に優れるポンプなので、ミキサーから出てきた生地を一旦ホッパーに受けてポンプ内部に吸入し、トレーに送り出す事が可能になるとともに、非接触式のサニタリーポンプであるため、ポンプ由来の異物が生地中に混入する心配も必要なくなりました。
鶏肉
チョッパーでぶつ切りにした鶏肉を次工程に移送するときに、量が量だけに手作業で運び込みを回避したく、衛生面からベルトコンベアの利用も避けたいという要望がありました。
ここにコンベア一体型二軸スクリューポンプSQWA型の導入を検討しました。当初は移送できるか不安だったものの、鶏肉由来の油分の効果もあり多少液体のような振る舞いを見せたことから、チョッパーから落ちてくるぶつ切りの鶏肉をポンプに接続されたホッパーで直接受けて次の工程に送り出すことができました。
また、ポンプ構造の特徴により、移送中に鶏肉がさらに細かくなるようなことも見られませんでした。
ポンプ選定時のチェックリストchecklist
導入にあたり、以下のような項目を事前に確認しておくことが推奨されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 含水率 | あまりにも含水率が低いものはポンプでは扱えません |
| 含有物 | 固形物や繊維質を含む場合、移送中に詰まらないものを選定する必要があります |
| 配管構成 | 吐出圧力が高くなるほどポンプへの負荷が大きくなります なるべく配管抵抗を軽減できる構成が重要です |
現場によっては前後の工程との連動性も考慮する必要があるため、現場の課題に即したカスタマイズが可能なポンプであるかという点も必要になります。
まとめSummary
流動性が低くてポンプではうまく扱えない。
そんな手作業頼りになっていた低含水や超高粘度の物質移送も、扱い方によっては自動で処理できる可能性があります。
ポイントは移送したいものを可塑性物体として扱う思想と、粘度や液構成に応じた機種の選定です。
工程の省力化や作業環境の改善をお考えの場合、ポンプによる自動化がその解決方法になるかもしれません。
ご紹介した製品Recommendation

スクリューコンベア付二軸スクリューポンプ SQW型
含水率が低い超高粘度液やケーキ状物質などの移送に
脱泡機能付き二軸スクリューポンプVQ型
完全ドライから流動性の低い液体を自吸




















