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メカニカルシールの漏れ対策ガイド!放置するリスクや原因、防止策まで徹底解説

メカニカルシールの漏れ対策ガイド!放置するリスクや原因、防止策まで徹底解説

ポンプ周辺の液漏れ、単なる「消耗品の劣化」と考えていませんか?メカニカルシールの漏れは、設備の安全性や運用コストに大きく影響する要因となるかもしれません。

本記事では、漏れが発生するメカニズムの基礎から、摺動面の摩耗・熱損傷といった原因の特定、そして寿命を延ばして安定的に使用するための選定・運用手法を解説します。現場レベルで設備の信頼性を高めるためにご活用ください。

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メカニカルシールとは何か?

メカニカルシールとは、ポンプの回転軸に取り付けて、隙間から流体が漏れ出すのを防ぐための「軸封装置」です。従来のグランドパッキンは基本的に少し漏らしながら使用するのに対し、メカニカルシールは漏れ量がほぼゼロと圧倒的に少なく、長期間メンテナンスフリーで運転できる信頼性の高さが特徴です。

その核心となる構造は、軸と共に回転する「回転環」と、ハウジングなど本体に固定された「固定環」という2つのリングです。これらをばねや流体の圧力によって常に押し付け合い、互いの接触面(摺動面)を密着させることで物理的に隙間を塞ぎます。さらに、軸やケースとの隙間はOリングなどの二次シールで密封されます。

しかし、完全に密着しているわけではありません。回転中は摺動面の間にミクロン単位の極めて薄い「潤滑膜(液膜)」が形成されます。この膜が潤滑剤となることで摺動面の摩耗を防ぎつつ、同時に流体の漏れを最小限に食い止めるという機能を両立させています。

用途に応じて様々な構造のものを選択することができ、一般的な「シングル型」に加え、揮発性・有害流体や高圧条件下では、封液を用いて二重に遮断する「ダブルメカニカルシール」を選定することで、より高度な安全性を担保します。

メカニカルシールの漏れが設備に与える影響

メカニカルシールの漏れは、単に床やポンプが汚れるだけの問題ではありません。場合によっては設備の安全性を脅かし、作業環境や安全性に多大な影響を与えるかもしれません。

特に懸念されるのが「安全・環境リスク」です。高温の水や化学薬液、可燃性流体が漏洩すれば、作業者の火傷や溶剤中毒につながる危険性があり、さらには火災事故の発生や土壌汚染といった大規模な事態にまで発展してしまうかもしれません。また、油や汚水などをシールしていた場合、漏洩することは作業環境の悪化を意味します。

次に考えられるのが、「設備への二次被害」です。シール部から漏れ出した液体は、隣接する軸受(ベアリング)へ容易に浸入します。これにより潤滑油が乳化・流出し、ベアリングの焼付きや異常振動など、ポンプ本体への大きなダメージにつながります。

これらが招くのが「生産停止とコスト増大」です。突発的なライン停止は生産計画の遅延や製品ロスを生み、緊急メンテナンスや部品交換、清掃などの対応に思わぬ費用が発生します。わずかな「にじみ」を放置せず、早期に対処することは、工場の安定稼働を守る取り組みとなります。

メカニカルシールの漏れが発生する主な原因

据付不良

メカニカルシール漏れの初期トラブルの多くは、「取付不良」が原因です。特に回転機器において影響が大きいのが芯出し(アライメント)のズレです。軸心が偏っていたり、ボルトの締め付けが不均一だと、精密なシール端面(摺動面)が斜めに接触する「片当たり」を起こします。これは回転環と固定環が十分に押し当てられていないことを意味し、密封機能が損なわれていることになります。

また、組立時の清浄度も重要です。微細なほこりや配管内の異物が摺動面に噛み込むと、運転開始直後から傷が入り、漏れが止まらなくなります。高性能なシールも、取付精度と清浄な環境がなければその能力を発揮できません。

運転条件のミスマッチ(空運転・過負荷・圧力変動)

メカニカルシール漏れの初期トラブルの他の原因として、運転条件のミスマッチやオペレーションミスが考えられます。中でも、特にダメージが大きくなるのが「空運転(ドライラン)」です。シール面は通常、微細な液膜で潤滑されていますが、液がない状態で回転すると、摩擦熱により瞬時に摺動面が焼き付いてしまい、すぐにメカニカルシールが故障してしまいます。このようなことが起こる背景には、バルブの開け忘れや配管条件の不適合による吸い込み不良などが考えられます。

また、急激な圧力変動や過負荷も危険です。許容を超えた圧力は摺動面を過剰に押し付け、異常摩耗やOリングの損傷を招きます。これらは突発的な漏れの引き金となるため、運転データを定期的に監視することも重要です。

流体条件の不適合(温度・腐食性・固形物混入)

メカニカルシールの寿命は、移送する「流体の性質」にも影響を受けます。液体の条件がメカニカルシールの特性と合致していないと、精密にシールしているつもりでも短期間で漏れが発生するケースが存在します。

例えば、温度はその一因です。たとえば水の場合、100℃に近いようなものを扱うと、摺動面で水が蒸発してしまうために潤滑性がなくなり、空運転しているのと変わらなくなってしまいます。他にも、高温の液によってOリングが硬化やひび割れを引き起こしたり、熱膨張によって寸法がメカニカルシールの許容範囲外になってしまうことも考えられます。さらに、腐食性の高い薬液では、材質選定を誤るとシール材が膨潤・溶解したり、金属の腐食によって密封力を失ったりします。

固形物(スラリー)の存在にも注意が必要です。摺動面に微細な粒子が噛み込むと、ヤスリのようにシール面を削り取ります。こういった液を扱う場合、流体に合わせた材質変更や、綺麗な外部液でシール部を洗浄する「フラッシング」の導入などの検討が必要になります。

シール構造・形式の選定ミス

扱う流体の特徴にあわせてメカニカルシールの種類も最適化する必要があります。移送時に加わる圧力や液体の危険度に対し、メカニカルシールの構造がそれに応えるものでなければ、どれほど調整しても漏れは止まりません。

例えば、高圧条件下でいわゆるアンバランス型と呼ばれるものを用いると摺動面が開きやすくなってしまうため大量の漏れにまで発展します。また、腐食性の強い液体を扱う際、一般的なインサイド型のメカニカルシールを用いると、耐久性が落ちやすくなるため交換頻度が高くなるということが起こりかねません。

目先のコストで判断せず、メーカーの仕様書に基づき、圧力・温度・安全性を満たす最適構造を選ぶことがポイントです。

振動・軸ブレ・ベアリング不良

シール交換を繰り返しても漏れが止まらない場合、原因はポンプ本体が振動していることや軸ブレを起こしている可能性が考えられます。

メカニカルシールはミクロン単位の平面度で密着していますが、ベアリングの摩耗やポンプの据付不良による振動や軸の振れが発生すると、回転中にシール面が開いてしまい、液漏れや破損を招くことになります。特にこういった場合、シール単体を見るだけでなく、振動値の測定やベアリング交換を行い、回転系の安定性を見直すことが重要です。

経年劣化・摩耗・スプリング機構の不具合

長期使用による「経年劣化」は、物理的に避けられません。特に注意すべきはスプリング機構です。金属疲労やスラリーの堆積でバネの反発力が弱まると、回転環と固定環を密着させる力が不足し、シール面が開いてしまいます。

同時に、摺動面の摩耗や、熱によるOリング(ゴム部品)の硬化・ひび割れも進行します。これらは目に見えず徐々に進むため、漏れが始まった時点では既に限界を超えています。「漏れてから対処」ではなく、メーカー推奨時間に基づいた計画的な部品交換こそが、最もコスト効率の良い保全策です。

メカニカルシール漏れの防止策

正しく据付・組立する

高性能なシールでも、据付精度が低ければ十分な効果を発揮できません。漏れ防止の基本は、正確な「芯出し」と「トルク管理」にあります。軸心がずれた状態で軸に取り付けたり、軸に過度の荷重がかかるなどたわみやすい環境で使用すると、シール面の「片当たり」を招き早期漏れの原因となります。

また、摺動面への微細なゴミや異物の噛み込みも原因となります。これは取付時にシール面を汚染させたり、配管内に付着していた錆やホコリが混入したりすることがこのケースに該当します。組立後は手回しでスムーズに回転するか確認し、引っ掛かりがないかを認めてから使用するようにすることで初期漏れを防ぎやすくなります。

空運転や圧力の急変を防ぐ

メカニカルシールは潤滑切れを起こすとすぐに破損してしまいます。摺動面間に液膜がない「空運転」状態では数秒で摩擦熱が急上昇し、シール面が焼き付きや熱割れを起こし、破損してしまいます。

また、起動・停止時の急激な圧力変動(ウォーターハンマー)も、シール面やOリングに大きな衝撃を与えます。これを防ぐには、チェックバルブの使用やエア抜き弁の設置、急なバルブのとじ込みが起こるようなオペレーションを避けるなどの対策が必要になります。

フラッシュ水や冷却・バリア液を適切に管理する

スラリーや高温液、腐食性のある液体などを扱う場合、シール面に清浄な液を送り込む「フラッシング」や摺動面に移送液が入るのを抑制する「クエンチング」も効果的です。これらにより摺動面の洗浄や冷却、固形物の洗い流しなどが行え、メカニカルシールの長寿命化が期待できます。また、ダブルシールにおける封液(バリア液)という手段も考えられます。

これらの手段を取る際には、メカニカルシールに流す液体の圧力コントロールを行う必要があります。ポンプの内圧に対して適切な差圧が保てていないと、封液機能が働かないためです。流量計や圧力計を定期的にチェックし、適切にシールの保護機能を維持できているか確認することで十分な効果を得ることができます。

用途に適したシールタイプを選ぶ

漏れを防ぐためには、扱う液体と環境に適応した構造を選定することも必要になります。

毒性や揮発性の高い液体、摺動面で固化しやすいものを含む液体など特殊な液体を扱う際には、一般的なシングルタイプではなく「ダブルメカニカルシール」を使用することが好ましいです。もちろんコストはかかりますが、安全面の確保という観点では必要な対策となります。

また、大きい固形物を含む液体の場合、メカニカルシールの構成部品のひとつであるバネの数や位置にも意識を向ける必要があるかもしれません。バネが剥き出しになっているタイプのものでは、液に含まれる固形物が噛み込んでしまい、バネが十分に効かなくなる結果、摺動面が開いて漏れが発生しやすくなることもありえます。

流体に合ったシール材質を選ぶ

メカニカルシールの寿命は、流体と材質の化学的な相性にも左右されます。
摺動面には摩耗に強いSiCや超硬合金、自己潤滑性のあるカーボンなど、液体の特徴(スラリー有無や粘度など)に応じて適切な部材を選定します。

Oリングなどのゴム部品(二次シール)にも注意が必要です。NBR、EPDM、FKM(フッ素ゴム)などの材質選定を誤ると、薬品による膨潤や溶解によってシール効果がなくなります。使用する液体とゴム部品の相性に目を向け、環境に耐えうる材質を選ぶようにしてください。

定期点検や予防保全の実施

メカニカルシールは消耗品ではありますが、なるべく長寿命化させるためには日々のメンテナンスを行うことが好ましいです。

メカニカルシールから異音が発生していないか、バネに汚れは見られないか、摺動面にひっかかりを感じないかなどの確認を通して、大規模な影響が出る前に手入れを行うことで不要なコストの発生を抑えることができます。

「壊れてから直す」のではなく、過去の保全履歴の活用や定期的なメンテンナスを行うことが、安定的な使用につながります。

運転ルールのマニュアル化

正しい手順を明文化した「標準マニュアル」の導入も効果的かもしれません。担当者ごとによってバルブ開閉の順序やタイミングが異なると、思わぬ圧力変動や空運転につながり、シール破損の原因となる可能性があります。

これを防ぐには「誰が操作しても同じ安全な運転ができる」状態を作る必要があります。マニュアル作成の他にも、適切な電気制御を組んで稼働手順を標準化してしまうという手段もあります。また、異常時の対応フローや過去のトラブル事例の共有など、技術レベルを平準化することもポイントになるでしょう。

メカニカルシールの漏れを防止できるおすすめポンプ

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二軸スクリューポンプSQ型は、その移送原理により高粘度液や高回転での移送でも振動が極めて少ないため、メカニカルシールの摺動面が開くリスクを抑えることができます。また、ポンプ上部から液を吸入し、前方に吐出する方式の場合、メカニカルシールに加わる負荷を少なく抑えることができるため、通常のポンプに使用するよりも長い期間使用し続けることが期待できます。

伏虎金属工業の技術サポート

メカニカルシールの漏れは、単に部品を交換すれば解決するとは限りません。液体の特性、運転状況、配管環境など複数の要因が考えられます。メカニカルシールはポンプとは切り離せない存在であるため、伏虎金属工業ではお客様とともに課題を解決するべくサポートいたします。

最適な選定提案
導入段階では、温度・腐食性・スラリーの有無などをヒアリングし、液の特性や運転状況に似合ったシールの構造や運用法をご提案します。

原因特定から安定稼働まで
トラブル発生時には、据付精度や芯出し、圧力変動、潤滑不足など、構造と運用から原因を検討します。単なる部品交換だけのご提案ではなく、漏れが発生しやすくなる要因についてともに解決を図り、化学・食品・化粧品など多岐にわたる業界実績を基に、設備の長期安定稼働を支援します。

まとめ

メカニカルシールの漏れは、部品交換だけで解決する問題ではなく、その背景には様々な原因が考えられます。主にポンプが関係することでは流体特性や運転環境に応じた「正しい選定」や「正確な据付」ができているか、その他にも設備全体の運用が適切にできているかなど、考慮すべき点は多岐にわたります。

メカニカルシールの漏れを放置することは、ポンプの大規模な故障や、場合によっては生産品目の品質低下、作業環境の悪化など広い範囲に影響が出る可能性につながります。漏れが起こらないような運用を行うことはもちろんですが、発生した場合は早急に対策を行うことが大切です。

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