汚泥移送は、含水率が低く流動性が低いことや異物が混入していることなどにより、安定的に運転するのがとても難しい工程となっています。「配管で詰まりやすい」「ポンプの摩耗が激しい」という悩みを抱えていることも珍しくないのではないでしょうか。
本記事では、汚泥移送における課題を整理し、安定移送のためのポイントを解説します。過酷な条件下ではありますが、うまく設備を構成することで課題の解決に繋がります。
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汚泥移送の課題とは?
汚泥の移送が一般的な液体の移送と大きく異なる点として、含水率が低く流動性に乏しいことや、大きな固形物や繊維状のものといったポンプを摩耗させるものが多く含まれていることが挙げられます。以下にてそれぞれの要因がもたらす課題について説明します。
・含水率が低い
まず、流動性に乏しい汚泥を無理に吸い込もうとしても配管抵抗が大きすぎて吸い込むことができず、強引に対応しようとするとキャビテーションによりポンプや配管といった設備の破損に繋がります。このため、ポンプに押し込むようにして汚泥を供給してあげる必要がありますが、空運転状態になると軸封部の焼付きによる故障が懸念されるため注意が必要です。
これらの問題を乗り越えても今度は吐出側での配管抵抗が大きすぎてうまく移送できないということが起こりえます。
・固形物が含まれる
汚泥に含まれる金属粉や食物残渣、繊維などの固形物はポンプを詰まらせる要因となります。また、詰まらせずに送れたとしてもポンプ部品を激しく摩耗させることにより、短い期間での能力低下を引き起こします。これらの要因は、ポンプをはじめとする設備のメンテンナスの負荷を大きく増大させることに繋がります。
汚泥を安定移送する方法とは?
汚泥の含水率や固形分の濃度を事前に把握する
汚泥を安定して移送するために、まずは対象となる汚泥の「含水率」や「含まれている固形分の特徴」を把握しておきたいです。
汚泥は含水率がわずかに変わるだけで、流動性が大きく変化します。水分を多く含む未脱水汚泥に対し、ケーキ状の「脱水汚泥」は高い粘度となり大きな配管抵抗を生み出します。この場合、起動時にモーターへ過大な負荷(トルク)がかかり、過負荷エラーによる突発停止も発生するかもしれません。
こういった状況を乗り越えるために、状況によっては加水を行ってポンプやモーター、配管への負担を減らすことを検討する必要が出てくる可能性があります。
また、汚泥に含まれる異物が繊維質のものの場合は、ポンプを詰まらせる大きな要因となります。繊維質でなくとも、大きな異物が含まれる場合にはそれがポンプに噛み込まないサイズのものであるか、磨耗性が強いものの場合は以下にしてその影響を抑えるのかを検討する意味でも特徴を把握しておきたいところです。
詰まりを防ぐための異物対策を施す
汚泥の中には、砂利や金属片などの硬い異物、あるいは長い繊維状の異物が混ざっていることが珍しくありません。これらが無対策のままポンプ内に侵入すれば、ローターやステータなどの主要部品を瞬時に損傷させ、致命的な詰まりを引き起こします。
異物トラブルを防ぐための手段として、あらかじめ大きな固形物を除去したり破砕して細かくしたりといった前処理を行うことが考えられます。
しかし、注意すべき点として、フィルターを細かくしすぎると今度はフィルターが詰まりによる吸込不良を招くため、メンテナンス性とのバランスが重要です。
そのため、前処理を適度に抑えつつ、「多少の異物ならそのまま移送できる」ようなポンプを選定することが、安定した運用の一歩となります。
配管で対策を行う
含水率が低く流動性に乏しい汚泥を移送する場合、配管には非常に大きい摩擦抵抗が生じます。この強い抵抗に打ち勝って安定移送するには、ポンプ側に高い吐出圧力が求められますが、ポンプにかかる負荷も大きくなるため、「配管抵抗を極力小さくする」対策が重要になります。
配管抵抗を抑えるための具体的なアプローチとして、「配管の全長をできるだけ短くする」、「配管の口径(直径)を大きくする」ことが基本となります。さらに、高粘度流体ならではの対策として、配管内に「滑剤を注入する」ことで物理的に摩擦を減らすといった手段も考えられます。
ポンプの選定だけでなく、こうした配管の工夫もあわせて行うことでリスクを軽減することができます。
定期点検と摩耗部品の管理で長期安定運転を実現する
汚泥移送は常に細かい固形物をポンプや配管の中に通すことになるため、通常の液体移送よりもはるかに摩耗が生じやすい環境となります。長期的な安定稼働を実現するには、「壊れてから直す(事後保全)」のではなく、「壊れる前に対策する(予防保全)」という考え方が重要になります。
砂や金属粉などの固形分は、ローターやステータといった主要部品を特に激しく摩耗させます。「流量が減った」「吐出圧力が変動する」といった現象は、一時的な不調ではなく、内部摩耗が進行している劣化のサインです。
突発的な設備停止を防ぐため、稼働時間に応じた摩耗部品の交換周期をあらかじめ設定し、定期的な分解点検を実施してください。消耗品の適切な管理は、保守コストの削減と安定移送の両立につながります。
汚泥の安定移送を実現するおすすめのポンプ
おすすめポンプ スクリューコンベア付 二軸スクリューポンプSQW型
流動性に乏しい脱水汚泥の移送用途には、スクリューコンベア付 二軸スクリューポンプSQW型が適しています。
ホッパーの間口を広く取ることができ、ホッパーから投入された液はスクリューコンベアによってポンプ内部へ押し込まれるため、流動性の低いケーキ状のものでも取り扱うことができます。また、異物の入った汚泥移送でも構造上ポンプ内での詰まりが発生しづらく、摩耗を生じさせるような液体の移送にも強いという特徴があります。
おすすめポンプ 脱泡機能付き二軸スクリューポンプVQ型
比較的流動性があるものの、スラリーを多く含む汚泥の移送には、脱泡機能付き二軸スクリューポンプVQ型がおすすめです。
高粘度のものでも取り扱える非接触式のポンプであり、接触式のポンプよりも部品の摩耗頻度を少なくすることができます。
また、スラリーによってポンプ部品摩耗が発生しても回転数を調整することで流量を取り戻すことが可能なため、部品交換頻度を減らすことができます。同時に、強い自吸力を有しているため、ある程度の流動性のある汚泥であれば下からの吸い上げ条件にも対応できます。
伏虎金属工業の技術サポート
汚泥移送のような厳しい条件の現場では、ポンプを設置するだけですべての課題が解決するわけではありません。伏虎金属工業では、製品の販売にとどまらず、選定から運用に至るまで支援いたします。
・データに基づく最適な機種選定と設計支援
含水率や固形分濃度、粒径などの特徴をもとに現場に適したポンプをご提案します。高濃度汚泥の現場では、流量や揚程だけでなく、配管の短縮や口径見直しといった配管条件のアドバイスも行い、設備全体での安定移送を目指します。
・現地テスト運転と確実な立ち上げ
実機を用いたテスト運転や現地確認にも対応し、実際の導入前に検証を行うことでスムーズな設備立ち上げをサポートします。
・トラブル分析と長期稼働を支える予防保全
「急に配管が詰まった」「流量が落ちた」といったトラブル時も、考えられる改善策をご提案します。また、迅速な部品供給体制によりスムーズな現場の予防保全をバックアップします。
まとめ
汚泥移送は、その流動性の低さや混入している固形物の影響により、非常に難易度の高い工程です。しかし、事前の物性把握や適切な配管設計、汚泥の特性に合ったポンプの選定により、なるべく負荷を減らして移送することができるようになります。
頻繁な部品の摩耗による流量低下によるメンテナンスの負担や作業環境の改善をお考えの際にはぜひご相談ください。現場確認から機種選定まで、貴社の工程改善をサポートいたします。
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