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粉体を含む液体の移送トラブルと対策法とは?おすすめポンプや導入事例もご紹介

粉体を含む液体の移送トラブルと対策法とは?おすすめポンプや導入事例もご紹介

粉体と液体が混ざり合った流体の移送は、液体だけを移送するときとはまったく異なる難しさがあります。タンク底やポンプ内での沈殿、配管内での閉塞、品質を損なうダマ(溶け残り)の発生、ポンプ部品の急速な摩耗など、様々なトラブル発生が考えられます。

これらは現場の運転調整やライン全体の見直しだけではなく、液の特性に合致した正しいポンプ選定も必要になります。本記事では、粉体混合液特有のトラブルを取り上げ、リスクの少ない移送対策ポイントについて解説します。

粉が混じった液体移送で起こりがちなトラブルとは?

粉体と液体が混ざった流体の移送において、現場を悩ませる要因となるのは、粉体が入ることならではの複雑な挙動です。すなわち、粉の比重や親水性の有無、分散状態や溶解状態によって状態が次々に変化するため、一般的なポンプでは対応しきれないトラブルが頻発します。

まず代表的なのが「沈殿」や「分離」です。金属粉やセラミックスのような比重の大きい粉体はタンクの底やポンプ内部に堆積しやすく、逆に軽量な粉体は液面に浮遊します。この状態で移送を行うと、上澄みしか吸えずに濃度がバラついたり、堆積した固体が一気に流入して吸い込み不良や配管・ポンプ内での閉塞を引き起こしたりします。

次にありがちなのが「凝集」や「ダマ(ママコ)」の発生です。増粘剤などの水を吸う粉体は、撹拌が不十分だと粘着質な塊を形成します。これがフィルターやポンプ流路を塞ぎ、頻繁なライン停止や分解清掃の手間を招くほか、液物性の不安定化にも繋がります。

さらに、硬い粉体による「ポンプ部品の摩耗」の問題もよく見られます。磨耗性が強い固形物を含む液の移送では短期間で部品交換が必要となり、ランニングコストを増大させます。

これらの問題は、現場の運転調整だけで解決できるものではなく、ポンプの構造選定が根本的にミスマッチであることが大半です。

粉体混合液の移送にひそむ3つの課題

粉体の沈殿

粉体は液体に均一に混ざった状態を維持することが難しく、移送中に重力の影響で沈降することが珍しくありません。このような液体をポンプ内部に残ったままにしておいた場合、粉体が沈降してしまうことでポンプを再稼働させたときに粉を送りきれずに詰まりの原因になることがあります。

凝集・ダマ化

製品としての品質を維持するためには、ラインの最後まで均一な濃度・分布で粉体が液中に保たれていることが求められます。しかし、粘性の高い液体や高濃度の粉体混合液では、移送中の撹拌やせん断によって粉体や分散物同士が凝集して塊ができてしまうことがあります。これがポンプの隙間に詰まると詰まり・流量低下などが引き起こされる他、品質不良にも繋がります。

均一性の保持

粘性の高い液体や高濃度の粉体混合液では、粉と液体との混合が不十分なことで溶け残りの塊(ダマ)ができやすくなります。こういった溶け残りの問題は特に水と増粘剤の混合物、樹脂粉体と有機溶剤の混合物で多く見られます。これが発生することは後工程での品質不良の低下にも繋がりかねません。

粉体混合液の移送で起こるトラブルの対策方法とは?

粉体混合液の移送トラブルを解決するためには、粉体の特徴(沈殿性、凝集性、研磨性など)を理解し、それに適したポンプ構造を選定することが求められます。現場で起きる多くのトラブルは、ラインの機動手順のミスだけではなく、ポンプと液質のミスマッチにも原因が見られます。

まず、水分を吸ってダマになりやすい粉体や、分散状態が不安定で再凝集しやすい流体には、内部流路が広く、弁などの障害物がないポンプ構造が有効です。これにより、流路閉塞による緊急停止を物理的に回避しやすくなります。他にも、ダマになりやすい粉体は、投入方法を工夫する、十分に撹拌された状態のものを移送するといった手段をとることも考えられます。

また、比重差で分離・沈殿しやすい混合液に対しては、常にタンク内を撹拌し続けたり、ポンプの中で滞留させないようにするといった運用方法が考えられます。この分離が粉の凝集によって生じるケースでは、移送中に液にせん断や撹拌を加えない、すなわち液に対してストレスがかかりにくい移送方式のポンプ選定も重要となります。

さらに、金属粉やセラミックスなどの硬い粉体による摩耗対策として、接液部品の材質強化など摩耗に強い構造、部品交換サイクルを延ばすためのメンテナンス性も選定基準となります。詰まらない、分離させない、摩耗に強いといった要件を満たすポンプへの切り替えが、長期的な安定稼働への鍵となります。

粉体を含む液体の移送でおすすめのポンプ

二軸スクリューポンプ

2本のスクリューが互いに非接触で回転し、スクリューによって形成された空間を連続的に吐出方向に押し出す機構のポンプ。粉体混合液の移送においては、以下のような点から移送中の詰まりなどの課題を解決する機種として選ばれています。

二軸スクリューポンプの強み

  • 高粘度対応:高粘度のスラリーや粉体混合液でもスムーズに移送
  • 低せん断、低撹拌:液に負担をかけない移送原理により、ポンプ内での粉の凝集を抑制
  • 固形物移送対応:粒の細かい粉体入りの液体を詰まらせずに移送
  • サニタリー構造:CIP洗浄への対応や分解の容易性により食品、化粧品業界で評価

設計上の利点

  • 回転方向、回転速度の可変性:沈降を抑えるポンプの運転方法の選択、流路設計が可能
  • 移送しながら混合(BQ型):移送しながら液体と粉体を混合し、ダマの発生を解消

業界別の導入事例

化学業界:水に溶けない樹脂粉体懸濁液の移送

粘新しく水と樹脂粉体の懸濁液を扱う工程が発生したため様々なポンプを検討していたが、移送中に粉がポンプ内部で詰まってしまったり、沈降による移送不良を防ぐために液を常に循環させるようなライン構築を検討しても、粉体の研磨性によりすぐにポンプ部品が摩耗して能力低下につながったりという課題が発生していた。
ここに二軸スクリューポンプを導入し、移送中の粉体の詰まりやポンプ部品の摩耗による能力低下を防ぎ、安定的な移送を実現。

食品業界:ごま粉末入り調味液の移送

新商品のごま粉末の入った調味液の移送工程で、従来導入していたポンプを利用したところ、製造タンク内で沈降していた粉の塊を吸い込んできたときにすぐにポンプが運転不良を起こしてしまうことが判明した。
二軸スクリューポンプ導入により、沈降により多くのごま粉末を含む液を吸い込んでも詰まりによる運転不良が起こらなくなった。

化粧品業界:水+増粘剤の移送

撹拌タンクで増粘剤を水に溶解させ、高粘度化した液体を次の工程のタンクに移送するラインが存在していたが、粉の増粘剤はダマになりやすいため、時間をかけて少しずつ投入した上、長い時間撹拌させる必要があった。また、溶け残りがタンク間移送に使っているポンプの中に少しずつ蓄積していくため、定期的に時間をかけてポンプ内の分解洗浄を行う必要があった。
ここに撹拌機能付き二軸スクリューポンプを導入し、粉の投入工程の簡略化と撹拌時間の短縮、および定期的なポンプのメンテナンスの手間を削減。

粉体混合液のポンプ選定時のチェックリスト

導入にあたり、以下のような項目を事前に確認しておくことが推奨されます。

  • 処理する粉体の粒子径、比重、濃度
  • 分散安定性
  • 粘度変化や温度変化の影響
  • 移送距離や配管の太さ
  • 使用後に要求される洗浄レベル

現場によっては他の設備(充填機や撹拌タンクなど)との連動性も考慮する必要があるため、現場の課題に即したカスタマイズが可能なポンプであるかという点も必要になります。

伏虎金属工業の技術サポート

粉体と液体が混ざった流体の移送は、単純そうに見えても、粉の沈殿、詰まりの発生、早い部品摩耗というリスクを抱えています。伏虎金属工業は、これら特有の課題に対して経験やノウハウ、技術を駆使して解決するパートナーとして、お客様の現場に伴走します。

まずは、扱われる粉体混じりの液体の詳細(粒径・比重・濃度・硬度等)と、現在の配管レイアウトや運転条件をヒアリングします。現場で発生する課題が、ポンプのミスマッチによるものなのか、配管やラインの構成に由来するものなのか、情報をもとに検討いたします。

その上で、ダマを詰まらせない仕様や、硬い粉体入りの液の移送でも長持ちする仕様の選定、移送中に分離や変質を起こさないようにしたり、ポンプ内での粉の沈降や凝集を防ぐ運転方法などをご提案します。導入前には実液を用いたテスト移送で挙動を確認いただくことも可能です。

化学・食品・化粧品など、多くの現場で粉体移送の現場で培った実績をもとに、安定して稼働できる生産ラインの構築を支援します。

まとめ

粉体混合液の搬送においては、「沈殿・凝集・詰まり」という3つの問題が生産現場に多大な影響を与えます。これらを解決するには、移送方式の見直しと、構造的に優れたポンプの選定が必要です。

二軸スクリューポンプは、これらの課題に対して非常に高い対応力を発揮するソリューションです。
導入の際は、「粉体特性、液体特性、移送条件」の3軸で検討し、自社に最適な移送設計を構築していくことが生産の安定化と効率化への近道となるでしょう。

 

 

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