食品工場では、大根おろしや生姜ペースト、すりおろし人参といった繊維質を含む食品の移送を伴うシーンが存在することかと思います。しかしながら、水分や繊維を多く含むペーストをポンプで移送する場合、条件にあわないものを選定すると、移送中の品質低下や、繊維がポンプを摩耗させることによるメンテンナス頻度の増加を招いていしまいます。
本記事では、こういったペースト状の液体移送に特有の課題を整理し、作業負荷を削減するためのポンプの選び方について説明いたします。
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ペースト・繊維質移送でよくある課題とは?
固形物による詰まりトラブル
繊維質を含むペースト状の食品移送での課題のひとつが「詰まり」です。液に含まれる繊維質がポンプの回転部で噛み込むなどの理由で発生します。
ポンプが詰まってしまうと、ラインを止めた上でポンプの分解・清掃を行う必要が発生し、生産効率の低下を招きます。そのため、硬い固形物でも詰まらせずに移送できる構造のポンプを選ぶなどといった対策が重要になります。
水分の分離
野菜をすりおろしたものなど、水分と細かい固形物が混ざりあったものを移送する際、ポンプの中で液が絞られて水分と固形物が分離してしまうことがあります。
これは移送により品質が低下してしまうことを意味します。このため、やむを得ず人手で次の工程への運搬を行わざるを得ず、省人化を達成できないという課題が発生してしまいます。
メンテナンス頻度によるコストの負担
野菜の繊維のような硬い固形物を含む液体の移送では、ポンプのローターやケーシングなどの接液部が摩耗しやすくなるため、ポンプの構造によっては高頻度でメンテンナスを行う必要が出てきてしまう懸念があります。
メンテナンスを頻繁に行うことは、部品交換によるコスト、分解や手入れ作業にかかる人件費といった負担の増加を意味します。品質を変えずに安定して移送できることが最重要ではありますが、こういった見えにくい部分でのロスも十分に課題となりえます。
ペースト状の野菜の移送に適したポンプの要件とは?
水分が分離しにくい
水分と繊維質が混ざった液体の移送では、ポンプ内部で流路が狭くなるような構造のものを使用すると、ローターとケーシングの隙間でペーストが潰されてしまうことになります。また、移送中にせん断が加わる場合も同様に水分だけが絞られてしまう要因となります。
さらに、流路が複雑になっていないかということもポイントです。ポンプ内部に段差や曲がり角があると、そこに繊維質が引っかかって滞留し、そこに吐出圧力が加わることで流動性の高い水分だけが先行してしまうことになります。
裏を返すと、流路が狭くならず、せん断がかかりにくいようなポンプを選定することで、移送中に水と繊維が分離してしまう可能性を低減させることが可能になります。
固形物が詰まりにくい構造となっている
上述のように、繊維を含む液体の移送では、固形物が詰まらない構造のポンプを使用することが求められます。ポンプ内部の流路が狭いものや、ローター部分に固形物が絡みついたり噛み込んだりしやすい構造のものを使用すると、すぐにポンプが停止してしまうリスクが高まります。一度詰まってしまうと分解清掃の手間が大きくなってしまうこともあるため、なるべくリスクは低減させておきたいところです。
清掃や分解がしやすい構造になっている
食品の移送では衛生管理の点から定期的な洗浄がマストになります。
このとき、分解や再組立に時間がかかるようなポンプを選ぶと、洗浄工程での負担が増加してしまう他、再組立時の軽微なミスによる再稼働後の急停止につながる恐れがあります。
このため、清掃工程が簡単なポンプを選定することで、コストの削減につながるだけでなく、想定外のトラブルを抑制する手段にもなります。
ペースト状の野菜を移送するおすすめのポンプ
おすすめポンプ
ペースト状の野菜の移送に適したポンプとして、「スクリューコンベア付二軸スクリューポンプ SQW型」および「コンベア一体型二軸スクリューポンプ SQWA型」をご紹介します。
これらのポンプは以下のような特長によって現場の課題を会計つします。
・液を絞らず、品質を維持したまま移送
間口を大きく取ってペーストを受け止めます。ポンプに接続されたスクリューコンベアで形状を維持しつつそのままポンプ部分まで液体を送り込みます。ポンプ内部で液を絞らず、またせん断を加えずに移送する構造のため、均一な状態を保ったまま次の工程へと移送することができます。
・非接触構造による「コンタミ抑制」と「耐摩耗性」
ローターがケーシングやもう一方のローターと接触しない構造となっているため、繊維のような硬い固形物を含む液体を移送しても部品の摩耗が発生しにくくなっています。この結果、部品交換の頻度を低減できるだけでなく、ポンプ由来の異物が液に入り込むリスクを大きく減らすことが出来ます。
導入事例
大根おろしの移送
大根おろしを移送するにあたり、これまでに検討していた非接触式のポンプでは、ポンプ内で流路が狭くなる部分が存在しており、移送中に水分が分離してしまうという現象が見られていました。
このため、従来は液質の変化を起こしにくい接触式のポンプを使用していましたが、ポンプ由来の異物が混入してしまうリスクがあり、非接触式のポンプの導入を検討していました。
この課題に対し「スクリューコンベア付二軸スクリューポンプ SQW型」を導入。液質変化を起こさない構造のため、移送中に水分が絞られるようなことがないという前提条件に加え、非接触式のポンプであるため、ポンプの稼働に伴う部分由来の異物混入リスクを激減させることが出来ました。
加えて、従来の接触式のポンプでは摩耗により頻繁にローター等の部品交換が必要だったところが、摩耗が起こりにくくなったことでランニングコストの削減にもつながりました。
伏虎金属工業の技術サポート
固形物を含む液質変化を起こしやすい液の移送では、それぞれの状況に応じた適切なポンプ選定を行うことで、安定的な移送を行うことができます。伏虎金属工業では、ポンプの販売にとどまらず、お客様の現場での課題改善を目的とした提案を行います。
まず、移送する液の特徴や現状の運用方法をヒアリングし、条件にあったポンプをご提案します。導入に際して、事前に実液を用いて移送テストを行うことも可能で、それによって最適な仕様を検討することも可能です。
「そもそも対応できるポンプが見つかっていない」といった疑問だけでも構いませんので、お悩みをお持ちの場合は、ぜひご相談ください。
まとめ
大根おろしやおろし生姜などのペースト状の野菜の移送では、ポンプ内部での「水分と繊維の分離」や「部品の摩耗」が品質低下やコスト増加の原因となります。
これらを解決するには、液体を絞らず、部品同士が接触しないポンプを使用することが重要になります。
当社では、スクリューコンベア付二軸スクリューポンプ(SQW型)をはじめ、液体の特性に合わせて最適な仕様を提案いたします。実際の液体を用いた移送テストも可能です。現場の品質安定化やメンテナンス削減に向け、まずは現状のお悩みをご遠慮なくお聞かせください。
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