はじめに:粉が混じった液体移送で起こりがちなトラブルとはCommon issues encountered during the transfer of liquids containing powder
製造現場では、粉体を液体に混合した「粉体混合液」を移送する工程が数多く存在します。代表的なものとしては、食品業界におけるスープやソースの製造、化粧品業界や印刷業界で使用される顔料を含む液体、さらには化学業界の分散液などが挙げられます。
こうした混合液の移送は、一見シンプルに見えて非常に繊細であり、「沈殿」「凝集」「混合不足」などのトラブルが頻発するのが現実です。
本記事では、粉体混合液の移送における代表的な課題と、それを解決するスクリューポンプ技術や設計面での工夫について特集します。
粉体混合液の移送にひそむ3つの課題Challenges in powder containing liquid transfer
■ 粉体の沈殿
粉体は液体に均一に混ざった状態を維持することが難しく、移送中に重力の影響で沈降することが珍しくありません。このような液体をポンプ内部に残ったままにしておいた場合、粉体が沈降してしまうことでポンプを再稼働させたときに粉を送りきれずに詰まりの原因になることがあります。
■ 凝集・ダマ化
製品としての品質を維持するためには、ラインの最後まで均一な濃度・分布で粉体が液中に保たれていることが求められます。しかし、粘性の高い液体や高濃度の粉体混合液では、移送中の撹拌やせん断によって粉体や分散物同士が凝集して塊ができてしまうことがあります。これがポンプの隙間に詰まると詰まり・流量低下などが引き起こされる他、品質不良にも繋がります。
■ 均一性の保持
粘性の高い液体や高濃度の粉体混合液では、粉と液体との混合が不十分なことで溶け残りの塊(ダマ)ができやすくなります。こういった溶け残りの問題は特に水と増粘剤の混合物、樹脂粉体と有機溶剤の混合物で多く見られます。これが発生することは後工程での品質不良の低下にも繋がりかねません。
トラブルを防ぐスクリュー型ポンプの特徴Features of twin screw pump
このような課題に対して、弊社の製品では二軸スクリュー型のポンプが効果を発揮します。
■ 二軸スクリューポンプの強み
○ 高粘度対応:高粘度のスラリーや粉体混合液でもスムーズに移送
○ 低せん断、低撹拌:液に負担をかけない移送原理により、ポンプ内での粉の凝集を抑制
○ 固形物移送対応:粒の細かい粉体入りの液体を詰まらせずに移送
○ サニタリー構造:CIP洗浄への対応や分解の容易性により食品、化粧品業界で評価
■ 設計上の利点
○ 回転方向、回転速度の可変性:沈降を抑えるポンプの運転方法の選択、流路設計が可能
○ 移送しながら混合(BQ型):移送しながら液体と粉体を混合し、ダマの発生を解消
業界別の応用事例Case study
化学業界:水に溶けない樹脂粉体懸濁液の移送
粘新しく水と樹脂粉体の懸濁液を扱う工程が発生したため様々なポンプを検討していたが、移送中に粉がポンプ内部で詰まってしまったり、沈降による移送不良を防ぐために液を常に循環させるようなライン構築を検討しても、粉体の研磨性によりすぐにポンプ部品が摩耗して能力低下につながったりという課題が発生していた。
ここに二軸スクリューポンプを導入し、移送中の粉体の詰まりやポンプ部品の摩耗による能力低下を防ぎ、安定的な移送を実現。
食品業界:ごま粉末入り調味液の移送
新商品のごま粉末の入った調味液の移送工程で、従来導入していたポンプを利用したところ、製造タンク内で沈降していた粉の塊を吸い込んできたときにすぐにポンプが運転不良を起こしてしまうことが判明した。
二軸スクリューポンプ導入により、沈降により多くのごま粉末を含む液を吸い込んでも詰まりによる運転不良が起こらなくなった。
化粧品業界:水+増粘剤の移送
撹拌タンクで増粘剤を水に溶解させ、高粘度化した液体を次の工程のタンクに移送するラインが存在していたが、粉の増粘剤はダマになりやすいため、時間をかけて少しずつ投入した上、長い時間撹拌させる必要があった。また、溶け残りがタンク間移送に使っているポンプの中に少しずつ蓄積していくため、定期的に時間をかけてポンプ内の分解洗浄を行う必要があった。
ここに撹拌機能付き二軸スクリューポンプを導入し、粉の投入工程の簡略化と撹拌時間の短縮、および定期的なポンプのメンテナンスの手間を削減。
ポンプ選定時のチェックリストchecklist
導入にあたり、以下のような項目を事前に確認しておくことが推奨されます。
- 処理する粉体の粒子径、比重、濃度
- 分散安定性
- 粘度変化や温度変化の影響
- 移送距離や配管の太さ
- 使用後に要求される洗浄レベル
現場によっては他の設備(充填機や撹拌タンクなど)との連動性も考慮する必要があるため、現場の課題に即したカスタマイズが可能なポンプであるかという点も必要になります。
まとめSummary
粉体混合液の搬送においては、「沈殿・凝集・詰まり」という3つの問題が生産現場に多大な影響を与えます。これらを解決するには、移送方式の見直しと、構造的に優れたポンプの選定が必要です。
二軸スクリューポンプは、これらの課題に対して非常に高い対応力を発揮するソリューションです。
導入の際は、「粉体特性、液体特性、移送条件」の3軸で検討し、自社に最適な移送設計を構築していくことが生産の安定化と効率化への近道となるでしょう。
ご紹介した製品Recommendation
二軸スクリューポンプSQ型
固形物入りの液体を詰まらせずに移送
撹拌機能付き二軸スクリューポンプBQ型
移送しながら液体と粉体を混合




















